知ってるけど、知らない?
寄生虫、エキノコックスについて
・この施設は大丈夫か?
当蔵王キツネ村は、平成2年開設以来、エキノコックスを入れない、感染させない万全の対策を組み、場内のキツネたちは全て人工的に繁殖して慣らしたものです。
それでも万が一を考え毎年虫卵検査等を「北海道臨床衛生検査技師会(有)アマネセル」と連携し実施しており、今までの感染はゼロ(フリー)の実績です。
加えて年2回特別駆虫として生エサにプラジクアンテル(商品名ドロンシット)を投与して二重三重の感染対策を取っています。
その他病気についても帯広畜産大学の指導、情報交換などをしておりますので、安心してキツネに触れ合う事が出来ます。
・エキノコックスはどこから入ってきたのか?
エキノコックスは主に多包虫の寄生虫でシベリア、中央アジア、ヨーロッパ中部、アラスカ等の北半球寒冷地に限られ(分布は北緯40度以北とされている。)
日本では大正8年北海道の礼文島で野ネズミが大量発生し天敵として千島列島のキタキツネが放たれた。この時エキノコックスも一緒に入ってきたとみられている。
それから半世紀の間に北海道全域に汚染が拡大しつつあると思われます。(数年前に青森北部でも確認)
・どのようにしてエキノコックスに感染するのか?
野生のキタキツネと犬、野ネズミの間には食べる・食べられるという関係があり、エキノコックスに感染したネズミをキツネ、犬などが食べますと体内の腸の中で寄生し成虫となり、その虫卵が糞便とともに排泄されます。
その卵が何かの機会で人間の口に入ると肝臓に幼虫として寄生してエキノコックス症を引き起こします。(但し潜伏期間は10数年と長い)
卵が口から入った時だけで、仮に幼虫が口から入っても感染しません。
豚も感染しますが、豚から人間、人間から人間、野ネズミから人間の間で感染することはありません。
・予防方法は?
北海道衛生部、保健環境部では次の事項をよびかけているので北海道に行く時は参考にして下さい。
①沢水や小川などの生水は飲まない。
②野生の果実、山菜などはよく洗うか熱を加えてから食べる。
③野外の外出後は手をよく洗う。
④野生の動物やキツネに餌付けはしない。近づかない。
・上記をふまえ、また動物たちへの他の寄生虫予防のために下記の事を実施しております。
1、場内駆虫消毒 月1回
2、生体径口駆虫処理 月1回(エサに混入)
3、道路等殺菌消毒 毎日
4、特別駆虫処理 年2回(7月と12月)
5、場内の消臭 毎日(場内の土壌の改良、消臭剤の散布)